2015年ニュースを振り返ってみるとその1つに沖縄の基地問題があります。沖縄県翁長知事は普天間基地から辺野古基地へ移設に関して、殆どの沖縄の人が反対していると表明しています。しかし、事故が発生すれば国家的な問題になる原子力発電に関してもそうですが、建設、稼働に関して重要視されているのは地域住民の意向なのです。これについてはどうなのでしょう。
NHKクローズアップ現代で放送された中に、今年、菅官房長官が8月29日に名護市内のホテルで沖縄県北部村長と世界自然遺産登録 地域振興支援について会談、さらに10月26日に総理官邸で沖縄辺野古基地について辺野古3区長と会談したとした報道がありました。確かに会談が行われたことは映像からも事実でしょう。しかし、この2つの会談には大きな違いがあります。それは会談が行われた場所です。
もし、辺野古への基地移設に地域住民が反対、あるいは躊躇していたとしたら、辺野古3区長を総理官邸に招いたとしても拒否するでしょう。逆に政府が沖縄に来て会談しろということになるはずです。このニュースをよく見ると、わざわざ辺野古3区長が総理官邸まで足を運ぶということは、少なくともこの地域住民が移設に賛成を表明するため、あるいはよほど切羽詰まったなんらかの事情があるから政府まで訴えに行ったとみるのが筋でしょう。
もしそうであれば、NHKの報道で総理官邸に招いたとする報道、ましてや、他のテレビ番組でのこれは政府が賛成をアピールするのが狙いだという報道は全く見当違いな報道をしていることになります。そうではないのであればどちらがこの会談を持ち掛けたのか、住民たちの訴えは何なのかはっきりした報道をすべきだと思います。